【インテリアコーディネーターが解説】漫画『ツルモク独身寮』に学ぶ昭和レトロな一人暮らし部屋と家具の魅力

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今回は、私がインテリアコーディネーターになった原点とも言える、ある懐かしの漫画作品をご紹介します。

それが『ツルモク独身寮』。1980〜90年代の日本を舞台にした青春コメディでありながら、当時の住まいや家具、暮らしぶりがリアルに描かれており、“インテリア好きなら絶対チェックしてほしい作品”です。


『ツルモク独身寮』とは?家具メーカーの裏側と若者たちの青春ストーリー

『ツルモク独身寮』は、窪之内英策さんによる漫画で、1988年から1991年まで『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で連載されていました。

主人公の宮川正太が、新卒で大手家具メーカー「ツルモク家具」に就職し、社員寮での共同生活を通じて仕事や恋に奮闘する姿が描かれています。

この作品、実はただのラブコメや青春ものではありません。家具の製造工程や設計現場のリアルな描写、そして独身寮という閉鎖的で個性的な空間が、読者を「その時代の日本」に引き戻してくれます。

インテリアコーディネーターの視点で見る“独身寮”の空間構成

主人公・正太たちが暮らす社員寮の部屋は、まさに昭和レトロな一人暮らしの象徴。

畳の6畳間に布団を敷き、ちゃぶ台やポット、ブラウン管テレビ、カーテンの柄までリアルで、当時の一般的な若者の住まいが再現されています。

具体的なインテリアのポイント:

押し入れ収納

収納家具を買い足す余裕のない新社会人にとって、押し入れの有効活用は重要でした。

ちゃぶ台スタイル

省スペースかつ汎用性の高い家具の代表格。今も“昭和レトロ風インテリア”として人気です。

家電の配置

炊飯器は冷蔵庫の上、ポットは床に直置き。今ではありえない動線が、時代を感じさせます。

これらのインテリアは、現代のミニマルな部屋づくりとは対照的。
不便だけど人間味のある空間」に、逆に学ぶべきヒントがたくさんあるのです。

家具メーカーの裏側も描かれる!プロ視点で見ても納得のリアリティ

主人公が働く「ツルモク家具」は、日本の大手家具メーカーがモデルとなったと言われるほどリアルな描写が特徴です。

  • 木材選びや加工工程の丁寧な説明
  • 図面のやり取り、上司とのやり取り
  • 量産品と職人家具の違いに悩む若手社員の葛藤

これらは、現在のインテリア・家具業界においても変わらない本質的なテーマです。
インテリアのプロとしても、考えさせられるシーンが多くありました。

多様な“住まい”の描写が面白い!キャラごとの部屋にも注目

登場人物たちの部屋には、それぞれの個性が反映されています。整理整頓された几帳面な部屋もあれば、ポスターやフィギュアで埋め尽くされた趣味部屋も。

人によって「くつろげる空間」の定義が違うことを、作品は自然に教えてくれます。

これはまさに、“暮らしに寄り添うインテリア”の原点。

住む人の性格や趣味が空間に表れることで、住まいが生きたものになる。その考え方は、現代でも変わりません。

まとめ:『ツルモク独身寮』は、インテリアの教科書になる漫画!

『ツルモク独身寮』は、家具・インテリア業界に関わる人や、一人暮らしの部屋づくりを考えている方にとって、多くのヒントが詰まった作品です。

「昭和レトロインテリア」
「社員寮のリアルな間取り」
「家具づくりの背景」

── こうしたテーマに興味がある方には、ぜひ読んでいただきたい漫画です。

もちろん、一般的な漫画好きの方にもおすすめの作品ですよ。

参照:Amazon kindle版

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